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庇護雑記

フィクションだから。

霞むまでのために


21年生きた。何度か立ち止まった。
それでもいま立ち歩けているのはなぜかっていう。


この身を削ってでもこの世にしがみつきたいという怨恨もなければ執念もない。だけど、何の爪痕も残さずに大多数の傍観者のまま、主人公の手に触れることもできずに消えていくのだけは絶対に嫌だと思った。地を這ってでも血を吐いてでも強烈ななにかを、私がこの世に生を受けていたという証を残してから死にたい。

17歳の夏、あの子の葬儀に参列した大嫌いだった中学の同級生たちの、自らの青春に一滴の悲しみのエッセンスを求めてやって来た感が許せなくて、私の涙は一瞬悲しみなのか怒りなのか分からなくなった。あんなやつらのせいで、自分の涙の色が分からなくなるような自分も情けなくて許せなかった。


目の前が何も見えなくなったとき、一縷の理性が私に思い起こさせる
ださいセーラー服を着て全てに目を瞑り、楽しくもないのに笑っていた14歳の頃の私と同じ箱に入れられていた奴らの人生における一つの小さな悲劇として私の名前が添えられるだなんて耐えられない。卒アルの後ろのページ、「優等生ななちゃん」「天使みたいなななちゃん」ばっかみたい。屈して、演じることに精一杯で刃向かうことすらできなかった悔しさ。私はそんなんじゃないのに。そんな偽りの私の死体に憐れみの青い花束を押し付けて忘却の淵に花と一緒に沈められる、そんなの死んでも死にきれない。


たくさんの知らない人に助けられてきた。私にタックルまでして助けてくれたサラリーマンのことは忘れない。その直後めちゃくちゃ怒られた(というか諭された)ことはもう忘れた。ごめん。びびったんだもん。
私の中枢がバグった時、もう終わるんだと本気で覚悟をしたのに、先生が超優秀だったからあっという間に何事もなかったかのように私は正常なはたらきを取り戻した。正直拍子抜けた。こんな結末は美しくないとまで思った。あんなに言うからとんでもない行動力まで発揮したのに、本当にその人には申し訳ないことをした。でも私、あれが人生イチ幸せだったな。たとえ私をただのお人形だとしか思っていなかったとしても。私は嬉しかった。でもごめんなさいだよね本当に。全ては私の幼稚さ故です。話が逸れた。

いま、パッと思い浮かべただけでも両手で指折り数えられるほど大切な存在がいる。その幸せをもっと噛み締めろよと自分に言いたい。幸せなんて脆く儚いけれど、その儚さに夢をみてもいいのかもしれない。夢をみられるのは生きている間だけなんだから。

生きていくことは罪を重ね続けていくということだ。傷つけられる以上にきっと私は誰かを傷つけるかもしれない、その懺悔で自分を壊したくなる、そんな人生も仕方ないと思い始めた。自分で自分を切りつけることはもうやめたいけど、私が生きていくためには必要なものなのかもしれないから。


どうか幸せになってください

そんな風に言われたら、こう考えざるを得なくなったんですよね。