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庇護雑記

フィクションだから。

シクラメン



喜んでほしかった。ただそれだけだ

新幹線の扉が開いた瞬間、耳打ちして小さな嘘をついた。予想通りの表情と声色を見たところで私は目視数cmの隙間を飛び越えて400kmの一歩を踏み出した
嘘はいけないことだろうか、私にはよくわからない。でもその善意の嘘でふたりを救うことができるのならば許されるのではなかろうか、と思って私は小さく罪を背負った
嘘を嘘のままにしなければいい。私はあの瞬間だけ、帰納法的に生きただけだ。そう考えておいてる


余っていたアコギをもらった。その場で6個くらいのコードを教えてもらって習得した。ずっとほしかったものを手に入れただけで、ちょっとだけ何かが変われるような気がするのは私が単純だからだ。でも、ひとつ横道に入ってみるだとか、偶然目に止まった本を買ってみるだとか、一目惚れしたグロスを塗ってみるだとか、何気ない日常を少し崩してサイズの合わないピースを無理やりはめ込んでみるだけで変わる世界って多分あると思う。人間の生きていく道なんて所詮その程度で大きく右にも左にも振れていくものな気がする。そのピースの隙間から見えた景色が、この先の運命大きく変えるものになったり、するかもしれないじゃない

つまり小さくまとまってたら後悔するよってこと。私が言えたことではないが。

あけましておめでとうございます。