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庇護雑記

フィクションだから。

時をかける少女

 

自分の中だけで処理しきれないので久々に真面目な話

 

保育園から中学校まで仲の良かった幼馴染がいる。高校受験あたりから接触が少なくなっていって進学を機に全く会わなくなった。別に仲が悪くなったわけではない。ただ少しずつ目に見えて埋められないズレが生まれてしまっただけだ。以来連絡も取ってないしばったり顔を合わすこともない。電話番号の自動追加でLINEの友だち欄にいる彼女の実写アイコンは当時の面影を残しているもののかなり大人びている。彼女の近況を私はLINEのアイコンでたまーに知る。

 

小学2年生くらいの頃、私は彼女の家に遊びに行った。鍵っ子だった私たちはよくお互いの家を行き来していた。彼女の家に初めて行ったとき、私は子供ながらに「なにかちがう」と感じていた。しかしまだ幼い私はそのなにかの正体に気付くことが出来ずひたすらに違和感を覚えていた記憶がある。

彼女の家のリビングの一角になかよしやりぼんのような、分厚い週刊だか月刊だかの漫画本がピラミッドのように積まれていた。高く積まれていたことの比喩ではない。本当にピラミッドのように積まれていたのだ。まあそんなことはどうでもよくて、コップに注いだジュースをもらって私はピラミッドから漫画を一冊抜き出し開いてみて驚愕した。

いまこの歳なのでさすがにわかる。あれはエロ漫画だ。いや当時の私ですらなんとなくこれは見てはいけないものだと察することはできた。リビングにそびえ立つピラミッドは、成人向け漫画で構成されていた。しかしここで注意してもらいたいのは成人向け漫画のピラミッドに私は驚愕したのではない。成人向け漫画のセリフの漢字に鉛筆で読みがながふってあったことに私は驚愕したのだ。

 

...............お母さんが書いてんのか?

 

私がフリーズしているのをよそに彼女は確かどうぶつの森を始めていた。たぶん。彼女の家の紫のゲームキューブを覚えている。私のはオレンジだった。懐かしい。

彼女にこの漫画は普段読んでるのかと聞くと読んでいると答えた。そしてさらなる衝撃。「ママが読みなさいって」

 

 

 

 

この家やべえ。

「なにかちがう」がなんとなく分かってきたが彼女は何も悪くない。「お母さんは毎日朝に帰ってくるの」と聞いてなんの仕事だ、と思ったが宝石商だと言っていた。しかし成長していくにつれてそれは嘘であることに気付く。水商売に決まっているだろうと。だが彼女自身には罪はない。たまに腕や足に紫のアザがあるのをみた。彼女には何の罪もない。だから私は義務教育中はずっと仲が良かった。

 

 

彼女の母親が小さな子供を連れているところにがっつり出くわしたのは昨日のことだ。かつての◯ーちゃんそっくりの小さな女の子の頬に大きなガーゼがあてられているのをみてすごく嫌な予感がした。私は彼女の母親とほんの少しの会話をして逃げるように走り去った。

◯ーちゃんが生んだ子なのか年の離れた妹なのかはわからないが、娘だとしたら負の連鎖がもう始まってしまっているということだ。久々に心が焦げていくような感覚がした。

 

そんな。日でした。