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庇護雑記

フィクションだから。

最後の夢

 

どうなったっても構わない

私の世界を開放させてもらえるならなんでも

 

書類に2017年と書いているときに思う。未来だと思ってた世界線で今私は生きてる。子供の頃、2017年なんてもうすこし発展してると予想してたけど、相変わらず朝の電車は遅れるし車は空を飛ばない。月までエレベーターで行けるようになると聞いてから何年経っただろう。未だに遠くの空で真っ暗闇にぽつんと白く光っているただの形を変える球でしかない。意外としょぼい現実で、仕事にももう慣れてしまって機械的な毎日を送っている。仕事内容だってもうしょぼく感じる。何のためにこんなことしてるんだろうと思う。何のためにエクセルに数字を打ち込んでコピーをとってハサミを入れてメールを送って電話を繋げているんだろう。無意味だ。退屈で味気ない、変わることといえば体調くらいだ。身体は壊れていくのを止めない。ネジやナットの落下が止まらずに様々な病をコレクションしていく。もううんざりだ。

 

直線だらけの腕が癒えてくると物足りなくなって、新しい叫びを刻みつける。皮膚に冷たい光をあてるたびに普遍的な幸せが遠ざかっていくのを感じる。それでもやめられない。浅いから大したことはない。心の傷に形を与えたいだけ

 

 

いつからこうなってしまったんだろう

いくら手を伸ばしても掴めない、そんなものばかりいつだって私は欲しがって灯台もと暗しな十数年。

 

人に振り回される自分を客観的にみて至極滑稽に感じた。人の話を聞いている暇も面倒を見ている暇も私にはないのに、なにをしているんだろう

と思ってすべてを断ち切っている。断ち切ったところでなにか影響が出るわけじゃない。サンドバッグだっただけだ、とやんわり察した

 

人は恐ろしいし簡単に手のひらを返す。

美しい君だって、腹の中ドロドロだったもんね

 

小さな女の子の死体を大切に抱きしめて愛でている夢を見た。人形のようにピクリとも動かずサラサラの黒い髪と目が印象的だった。薄い色の小さな唇を指でなぞるとひんやりとした冷たさが伝わった。私は少女を誰にも見つからないようにクローゼットの一番奥に押し込んだ

あの子供は、幼い頃の自分であったと思う。