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庇護雑記

フィクションだから。

23才の夏休み

 

 

鬱だ。表向きは。

パニック障害だ。表向きは。

ほんとは、ちがうけど。先生たちが名前を変えてくれてるの分かってる。私の思考パターンを踏まえた上で大枠だけを伝えてくれてる。

誰にどこまで言ったかを忘れた。全部もうしまってしまおう、奥の方で鍵をかけて海中にさよならだ。

今まで生きてきて誰にも言ったことのない話。その場にいた人間の記憶をすべて消してやりたい。というか、存在ごと消したい。でもそんなことできないから、口止めの必要がないように私はうまく生きるしかない。フラッシュバックみたいに鮮やかに蘇るのは私への罰なんだろうか。罪を犯したのは、どちらだっただろう。

そんなの、決まってるじゃない

 

春だ。春が来たからその次は夏が来る。

夏には間に合わない。昔から夏は嫌いだけど、夏が嫌いな理由はなかった。でも今は明確な理由を持って夏を憎んでいる。自業自得、それはそうである。だからといって、そこまで責められることなのだろうか。私の感覚が麻痺しているだけか。

 

いつからか、キャラクターものや動物、小さな子供に対して何の感情も抱かなくなった。可愛いとか愛おしいとか、なんにも思わなくなった。子供の頃サンリオの、なんだっけなもう名前すら忘れてしまったんだけどマイナーでイメージカラーがピンクのキャラクターが好きで、100%「カワイイ」ものが好きな女の子だったはずなのに一体なんの事故が起きてこんなおどろおどろしい絵の描かれたバンドのTシャツを着て寝ているんだろう。

子供だの小さな動物だのに庇護本能を刺激されないのはいささか問題がある気がする。まだ間に合うか。なにに間に合わせるんだ?

 

普通から外れた。普通ってなんだ、と言われたら分からないけど、私と対極の人間が普通の人なんだろうと思う。「自分は変わってる人なんですぅ〜」とかいう自虐風自己陶酔ではなくて、全てを諦め自分が淘汰されるのをぼんやりと眺めているような、そういう感じで私は「普通から外れた」と言っている。

 

戻れるものなら戻りたい、でもどこまで戻ればいいのか分からない。綺麗な、真っ白な、傷ひとつない頃だろうか。それとも、

 

 

眩しい光が注ぐ季節がやってくる、私はその光を狂気のかたまりで受け止めるんだろう