庇護雑記

フィクションだから。

 

 

なんだか自慢たらしいが書きたい。ので書く。

面白かったから。

 

高校1年の頃、私はB組だったのだが、先日G組の同窓会が開かれたそうで当時1Gだった私の友達が出席した。

進級する度にクラスはシャッフルされるので3年過ごせばどこかしらで同じクラスになったり、選択科目の授業で同じ教室で過ごしたりと、約7割くらいの人とは面識はある。まぁそれでも3割くらいは名前と顔を出されてもピンと来ないけど。

 

で、1年次G組、そして3年次で私と同じクラスになったひとりの少年がいる。その人はまあ驚くべきことに私の大ファンであったそうで、同窓会はその話で盛り上がったらしい。友人からリアルタイムでLINEが送られてきた。「~〜君がお前の大ファンだったことが発覚」と。

 

AKB全盛だったあの頃、推しメンなんて言葉がよく使われていたため私を「推し」てくれていた人は何人か聞いたことがあるけど、彼は別格だったそうで、なるほどこれがTOってやつか。と思った。私にトップ・オタが存在したのだ。

TOの彼はことある事に私を推しまくり、私の上ジャーが盗難に遭った時は怒り狂っていたと聞いた。私は当時、どこかに置きっぱなしにしてたら誰かが間違って着てっちゃったんだろうなぁ~くらいにしか思っていなかったから笑った。誰かが悪意を持って隠したとしても、人から恨みを買った覚えは全くもってないし、そもそもそんなことが起こるような学校でもなかったから単純に私が失くしただけだと思う。なんなら茂みを捜索すれば雨ざらしになったボロボロの紺ジャージが出てくるかもしれない。悲惨だ。お願いだから早く土に還っててくれ。でもTOの彼は学校のあちこちを探してくれていたと聞いた。私はその頃2年で、彼のことは全然知らなかったのに。

3年で彼と同じクラスになったとき、偶然隣の席になった。ただ単純にくじ引きで決められた席だ。私は誰とでもとりあえず仲良くできたので、初対面の彼のこともすんなり受け入れ、なんなら馴れ馴れしく参考書を借りたり受験勉強の愚痴まで聞いてもらっていた。彼とはこれまた偶然、志望校と志望学部が同じであったので話しやすかった。彼がクラスのムードメーカー的ポジションだったから尚更だ。「え~同じ学部じゃん〜一緒に頑張ろ~」なんて、安易に喋っていた記憶がある。

 

結果を先に言えば、私は努力を怠ったので普通に第一志望はすってんころりんした。しかし第二志望には引っかかったので個人的にはまぁいいかぁ...しゃーないわぁ、と思っていた。彼は猛然と努力し続け見事第一志望に合格した。

 

私のいない同窓会で彼は、くじ引きで隣の席になった時は心底嬉しかったこと、私に話しかけられる度に一言一句メモを取りたいと思っていたこと、同じ目標を目指していることが発覚した時は何が何でも合格してやる、と思ったのに結果的に別の進路を行くことになったことを嘆くと同時に、自分は胸を張れる学歴を手に入れられたことへの感謝を述べ、その場を盛り上げていたらしい。文字起こししてみるとなかなか気色悪いが、なぜだか不思議と気持ち悪いとは思わなかった。面白かった。いや直接言われたらやっぱ気持ち悪いかもしれない。わかんないや。

そんな彼は今でも私のヲタを続けているそうだ。なんだかもう健気だ。健気さに胸を打たれてインスタのフォロリクを許可した。全く恋愛対象ではないけど、でも本当にありがたい。

 

私みたいな奴を高嶺の花としてくれたこと、ことある事に「〇〇さんが一番」と布教して仲間を増やしてくれていたこと、私ごときを原動力として勉学に励み第一志望に合格したこと、すべてありがたいと思った。人から特別視されるのが本当に嫌で、こんなことを当時の私が知ったらきっと、私は冷たくて最低な人間だから彼を大嫌いになっていただろうに、時の流れを挟んでいるからか全部が嬉しかった。3年次の私のクラスには、学校でその子のことを知らない人はいないくらい超有名なマドンナ的存在の女の子がいたにも関わらず、彼はずっと私を推してくれていた。

 

そんな風に思ってくれている人がいたんだよ、ってことを教えてくれた友達にも感謝だ。

 

そこまで想っていてくれたのなら、私も彼の憧憬像を壊したくないと思った。頑張らなきゃ。腐ってる場合じゃない。がっかりさせたくない。

私のTOの彼が悪女にひっかかることなく、素敵な人と巡り会えることを祈って。