庇護雑記

嘘たち

仮想敵

 

狂っている奴にどうしても負けてしまう

私の人生を私が壊したなら仕方がないけど、名前もわからない赤の他人が轢き逃げみたいに私の人生に一瞬だけ突っ込んで、私の中に永遠に消えることのない傷を作るなんてことが許されるわけがないんだ

いつも理不尽を被る側が負ける、めぐりめぐって運命が奴を引き裂いたとしても、結局私のこの手が汚されなければいつまでも救われない、

5歳7歳12歳14歳17歳19歳20歳22歳、私の死体が頭の中で綺麗に並べられている。理不尽を振り上げられて殺された私たちはこの先なにがあっても生き返ることはない。コピーされた自分、何度も複製されて少しずつバグを添えられる自分を引き連れて、未来の私の姿を想像する。何番目の私までが存在しているんだろう。コピーにコピーを重ねた結果、私はどんな姿になるんだろう。そんなことを考えるとこの場から一歩も動きたくなくなる。弔われることもない過去の私たちは永遠に私の頭の奥で静かに横たわり続ける。

 

理不尽がわたしを雁字搦めにして離さない。結局はこれだったんだ。忘れられない理不尽たちが、何度引きちぎってもトカゲの尻尾のようにまた再生される。突然アクセル全開で突っ込んできた理不尽たちを一様に激しい業火で焼き尽くすことが出来たなら、どれほどの幸せを感じるだろうか。

 

心や身体が負けを認めてしまうけど頭がまだ諦めてない。こんな不条理を繰り返すのはもう嫌だ。いつか絶対に勝ちたい、圧倒的に勝ち誇って私の死体に綺麗な花を手向けなければ、あまりにも死んでいった私が可哀想だ。